TOOL
姿なき声がし 私の猜疑的な側面が 頭をもたげる 交わされてはいないはずの会話 仮想のやりとり 精神病質 馬鹿を言うな 激しい口論など なかったということだが その激論全てに 一つ一つに影響されている 精神病質 何度も何度も判断を誤る 人を非難し、突き放…
年老いてなお 再び勝利を求めるあまり 諍いのさ中へと急く 武器は失い 老いぼれた体で 必死にその戦士は 体裁を保とうと 大声をあげる 果敢に 過去の自分を 誇り高げに だがどうだ 力を誇示せんとばかりにまた、 老体に鞭打ちがなり立てる 何年も前からの 私…
急降下する 真夜中を 我々の寓話の終焉 まどろみの中ぼんやりと 漂う 無知なまま 我々は 落ちていくのだ 無限に 自ら引き起こした狂気を 落下は飛行とは違う 浮遊は無限ではない 終焉は 突然訪れる 我々は昏睡状態に陥り ふいに屈する 急な崩壊に 破滅を防ぐ…
我々は肉体に繋がれた魂 片足は釘打たれたまま歩き回るが この肉体を越え彼方へ到達し 霊体となるのだ 我々は意思であり、奇跡である いずれ記憶は蘇る 我々は一つの呼吸、一つの言葉により誕生する 我々は一つの閃きであり、太陽となる さあ 目を覚ませ さ…
何か変化がなくては 否定できないジレンマ 退屈とは なんと惨い重荷だろう 継続的な刺激により麻痺してしまった それでも他の方法では 満足できない 足りないんだ もっと刺激が要る 何を試しても満足できない 欲しいんじゃなく 必要なんだ 息をし、感じ、自…
怨恨はまるで負の王冠の様 人の許容範囲を計算し お前は全てを手中に収めようと必死だ 緋文字の者どもを赦せずに それが礎石のごとく縋りついていなければ 全てが崩壊するのか 否認を正当化して孤独な最後まで握りしめていろ それが礎石のごとく縋りついてい…
静かに 静かにしてろ 静かにしてろ 静かに 静かにしてろ 静かにしてろ 静かにしてろ くそ まただ 眩い稲光 だが瞬きするな 惑わそうとする 静寂の策略 またやってくるのか そうなんだな 兆候が出ている 直視すれば お前は暗闇 我々を抑え込もうと 大惨事にな…
免疫は とっくに切れた 感染 私は吐き出す 未処置の お前に打ち明けた 躁病の中の毒 さあ、感染よ お前を吐き出そう 詐欺師が言う お前は私のものだ 他人の光を吸ってはいけない 光を恐れよ 呼吸を恐れよ 他人を永遠に恐れよ だが彼らが今清澄さを吸い込む音…
先生すみません、少々よろしいですか? ん、何か質問でも? と言うか、検査3の患者さんなんですけど どうかしたの? どうもしないのが、、、変なので、、、 検査結果はどうなってる? こちらです 変わった点は特になさそうだけど? そうなんです。身体外傷…
馴染みある 息を飲むほど温かい この、今私が保有する形 お前を包む この現実 この、今私が保有する形 目を大きく開き 希望に満ちて 目を大きく開き 願わくば野性的で もう殆ど覚えていない この大切な時間の前に何が存在したか ここに存在することを選んだ …
黒、そして白のみ幼少期には存在し 赤と黄がその後現れ 私に働きかけ 開眼へと導いた 下なる如く、上そして背後もまた然り 私は想像する 理性の境界線を越え展開されたもの 極限に挑み 結果を見守ろう 過剰な思考と分析により身体と心の乖離が生じる 本能は…
奇妙にも 終わりに近づいてきた この自堕落的で哀れな穴の下 打ちのめされ 抗うことを止め 終焉に近づいていく ここに安らぎを見出せるかもしれない 虚無の中に平穏があるかもしれない なんとも哀れだ 何かが私を呼んでいる 何かが私を呼んでいる 何かが私を…
目は画面に釘付け 悲報にぞくぞくするんだ それがどんな悲劇であれ 夫に殺された 海で溺死した 息子に射殺された 女は毒を盛った後 笑顔で男を見送った その調子 誰か死なないとつまらないだろ そんな目で俺を見るなよ 怪物扱いしやがって 俺にしかめ面する…
一緒に 一緒に さあ 耳を澄ませ 掘り進むのだ 俺の古く麻痺した影を 影が皮を脱ぎ捨てていく 俺はまた、かさぶたを引っ掻き始めていた 地に伏せ掘り進んでいく 筋肉は手がかりを探りながら 腹ばいになって進んできた 他の可能性など振り切ろうとしながら ず…
天使たちは傍観しながら 困惑し目を丸くする 神は何故人間に自由意思を与えたのか 人間どもは混乱に陥った この口のきけるお猿さん達は知らないのか エデンにはもうお前たちの場所はないのだ この楽園には必要なものは揃っている おバカな猿さん達よ お前た…
意見が多い奴だった 戯言ばかりだったが 淋しくなるな お達者で だって、死ぬのは怖くないんだろう だったら、さよなら 泣くんじゃない そんなに落ち込むな 殉教者が全て神を見るわけじゃない だが少なくともお前は努力したんだ 群衆の上に立ち 力強い大声で…
まだ死を経験しない者 それは正に鏡 だが 歌うは蛇 私の汚物をワインに変えようとする どちらも憎悪とは無縁だが 私の命を蝕んでいく 蛇が背後で囁く これ位の損傷で済んで良かったじゃないか 私の流した血が私に懇願する もう一度心を開いて欲しいと またあ…